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ヘレン・シャルフベック

ヘレン・シャルフベック。19世紀末〜20世紀に活躍したフィンランドの女性画家。印象派のようでもあり、象徴主義のようでもあり、ラファエル前派のようでもエコール・ド・パリのようでもキュビスムのようでもフォービスムのようでもある。 ストラヴィンスキーばりのカメレオン作家。

とはいえ、19世紀末から20世紀初頭というのは、そのような美術史的側面に限らず世界のありとあらゆるものに変化が起きた時代 である。音楽でいえばドビュッシーからシェーンベルクに至る時代なのである。

感受性の強い人であればそのようなカメレオンになったとしても、無理はない。それを絵画というフィールドで後世に残るような絵を描き続けられたのは才能以外の何物でもないだろう。しかし「ヘレン・シャルフベックってこういう絵を描いた人」という説明は難しい。

悪い言い方をすれば「時代に翻弄された」とも言えるし、それはつまり「激動の時代と戦い続けた」ことの証左でもあろう。そして、やっとの思いで描きたかったものを描けるようになった時には、自らの死期がすぐそこまで迫っていたのである。

彼女にとって84年という人生の月日は短すぎたのかもしれない。